仕事を管理するのではなく、時間を管理する

成果が出ない、やるべきことがイメージできない、計画書

 経営計画書の作成の場に立ち会うと、成果の出る組織とそうでない組織の相違点として、行動計画の作成のしかたや内容に違いが見られる。

 例えば、経営方針として「売上目標◯◯円をかならず達成する」を上げ、そのために重点的に行う活動として「部門の売上目標を必達する」そして、各担当の活動内容として「個人の売上目標を達成する」「データを活用する」「コミュニケーションを密にとる」などの項目を挙げる場合がある、また、教科書に出てきそうな言葉、難しい漢字が多様され、綺麗な言葉が並び、やりたいことで埋め尽くされている時もある。このような内容になっている組織は、計画書は作成するが成果に結びつかないことが多いと感じる。

 まず、達成、必達という言葉は、精神論になっており、気持ちは高揚するが具体的に何をするかというイメージが沸いてこない。 

 「データを活用する」「コミュニケーションを密にとる」なども、もし私たちが、「明日からデータを活用するからよろしく」「これからはしっかりコミュニケーションを密にとってください」と言われても、なにから手をつけて良いかわからない。

 計画書は、具体的に行動を起こしやすくし、すぐ実行できることを目的に作成することが肝心だと思われる。

 データの活用を行いたいのであれば、どんなデータを集め、分析し、活用するのか、また、それを誰がいつ、どの時間でやるのかなど5W2Hを明確にし、一人一人が計画書を作成した翌日から、即実行できるほど具体的にすることが大切だと考える。

すべてのメンバーが、即実行できるような計画書を作成する

 成果が出る組織は、組織の存在意義であるパーパス、自分たちの大切にする信念であるコアバリュー、そして全スタッフが全ての力を尽くして取り組みたいと感じるミッションなどをビジョンとしてまとめ、目標を数字でしっかりと表し、そのためにどこに資源を集中するのかという方針まで、一つのストーリとしてすっきりと一人ひとりの腑に落ちる形になっている。

 そのために、経営者は1年かけて次年度の方針を作成するための情報を集め、新年度が始まる2〜3ヶ月前には、まる1日〜2日、長い人では1週間かけてビジョンや方針を練り上げる。

魂を込めて伝え、1年間のスケジュールが明確になるまで落とし込む

 そして、魂を込め来年度の方針を全社員が理解し、納得し、受け入れるまで、語り、伝え、協力を求める。

 その方針をもとに関係者が一堂に会し、具体的な行動計画を練り上げる。

 「必要なデータは商品ごとの販売数量と、顧客別の売上実績。このデータを集めるのはAさん、◯月◯日まで」、「それを分析する会議は、◯月◯日00:00からとする」など一年間の具体的な日にちと時間まで丁寧に計画書に落とし込む。

 このように作成された計画書は、一見、やるべき仕事を管理しているように見えるが、実は、「時間」を管理している。成果がでる組織は、開始時間、投下時間、終了時間などの時間が明確にされている。人や仕事を管理するのではなく、時間をしっかり管理している。

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