経営と琉球武道①

どうすれば自分よりも大きな相手を倒せるのか

 私は、9歳のころ、近所にある沖縄伝統空手の道場に通い始めた。伝統の型を中心に日々の稽古は行なっていたが、中学生、高校生の頃は、フルコンタクト空手の大会にも積極的に出場し、上位に入賞することもあった。一時期、高校の空手部にも所属し、全日本空手道連盟形式のインターハイを目指す空手にも触れたが、私の好む空手は、やはり町道場で稽古する空手だということに気づくことができた。
 また、好んで読んでいた漫画やアニメ、テレビ番組などの影響もあって、宗教心や哲学、心理学にも興味をもっていた。何歳のころか明確にはわからないが、「宇宙は無から生まれたというが、宇宙の果てまで行ける宇宙船に乗って、宇宙の果てまで行くと無に到達するのだろうか、その時、この体は存在できるのだろうか」と考えるたびに大きな不安と恐怖を感じていた。今思えば、死への恐怖というものを感じていたのかもしれない。
 18・19歳の頃、筋力、腕力などの体力のみに頼る空手の限界を感じた。フルコンタクトルールでは、168cm、65kgの体格で、170cm、70kg以上の人と試合をすることはとても大変だと感じるようになっていた。しかし「本などで紹介される武術の達人は、年をとっても相撲取りをとって投げたりするのに、なぜ、今の自分は自分よりも体の大きな相手に全く太刀打ちできないのだろう。」という疑問を持ったのである。



自分がどれだけ頑張ったかは重要ではない。結果が全て!!

 そのころ、「拳児」という漫画の影響もあり、中国武術に興味を持つようになった。幸運にも、同じ市内に本場、中国で修行をされた先生が武術館を持っているという紹介をいただき、中国武術に触れることができた。
 その時の体験は、これまでの武術にたいする価値観や考え方がひっくり返る自分自身にとってのパラダイムシフトになった。多くの学びや気づきがあったが、一例をあげると「自分の筋肉に力が入っているだけで自己満足になっていないか。相手が倒れるという結果があって武術の技と言える」というようなものである。その時、これまでの自分の稽古は自己満足な稽古だったのだと愕然としたのと同時にこのことに気づけたことに感動したことを覚えている。それからは、どれだけきつい稽古をしてもいくら自分が頑張ったと思っていても、結果がでていなければ意味がないのだと考えるようになった。

このことは、のちに企業経営に携わり、組織運営をする上でとても役立つ重要な考え方となった。

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