経営と琉球武道③

 
国立博物館所蔵の刀


武術と武道の違い

 中国武術を学び、私が倒された技がどんなものであるかを少しづつ理解していった。そして、その技を身に着けられるよう日々、稽古を重ねるにつれて、強さとは、ただ戦う技術のみを向上させることなのか、という前々から思っていた疑問がより一層つよくなってきた。武術と武道は違うものなのだろうか、違うのであればそれを体で感じてみたいと思うようになった。

 そうすると、ご縁が舞い込んできた。合気道の先生を紹介されたのである。

 合気道の技に触れてみると、倒される時の感覚は、私が学んだ中国武術の技ととても近いように私には感じられた。しかし、技をかけていただいたそのあと「この技ができたとして、それがあなたの人生にどう関係があるのか、この技ができることに、どんな意味があるのか」というような質問をされたと記憶している。その一言が、「ああ!!」と私の心にとても響いた。なんとも言葉では言い表せないが「そうだよな」と、深くその質問が胸に刺さった。


人として大切な道を学ぶ

 その後、空手道場を開設する上で、空手とはなにか、武術と武道の違いとはなにかを門下生に伝えるために、言葉にしなくてはならないと思い、自分なりに考え抜いた末に辿り着いた答えは、「空手とは、武道である。武道とは、武術を通し、人して大切な道を学ぶこと。武術とは、効率よく相手を制する技である。」

 道場を開設して、22年。このことは道場を経営する上での、パーパス、存在意義であると日を追うごとに、より一層、強く感じられる。

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