苦しみを取り除く



 経営は、人々の苦しみを取り除く仕事だと思う。

 お客様との関係から見てみると、飲食店であれば、空腹という苦しみを取り除き、病院であれば、病気という苦しみを取り除き、建設業では、安心できない不快な環境という苦しみを取り除くことをしている。

 私が、サポートをして取り除きたい苦は、経営者やその会社で働く社員やスタッフの皆様の人間関係の苦である。

 例えば、社長がいきあたりばったりの無計画で、思いつきで行動することに振り回されている社員からの苦情を汲み取り、組織として年間計画を作成することで、前もって情報を知ることができ、変更がある場合でも事前に連絡する体制をとることで、「聞いてなかった」、「急に困る」というような、寝耳に水のようなことをなくしていく。

 仕事をする上で、当たり前のことだと思うかもしれないが、意外にできていない組織が多い。

 2人以上の人があつまれば、組織だと思うが、人数が少ない組織ほど、ナーナーになっている現状がある。

 家族経営で、夫婦で仕事をしているところなどは、生活も一緒であるため、自分が考えていることは言ったつもりになり、「今日は、外出するから」と言うと、「聞いてないよ、いつから決まっていたの。今日の〇〇の予定はどうするの?」と口論になることもしばしば。

また、月次の決算ができていない会社も多い。

 野球をしているときに、今、何点取っているのか、勝っているのか、負けているのか分からず、試合が終了し、数時間後に結果が出るようなものだ。

 働いている人は、自分たちのがんばった成果がどうなっているか分からないまま働かされる苦しみを味わうことになる。

経営者として、自分がやってきたことは大丈夫なのかという不安を抱える方もいる。

 経営計画書の作成を通して、経営者自身が目指すビジョンを明文化し、ミッションやパーパースを考え、方針を示すサポートを行っていくと、漠然としていた不安は小さくなっていく。

 それとともに、目標を達成するための具体的な行動計画がはっきりし集中すべき対象物が見つかることで、覚悟が高まり、心地よい緊張感に変わっていく。

難儀な仕事でも苦しいと感じるのか、目標達成のためのハードルを超える筋肉痛ととらえるかで大きく違う。

 すべての人間は、幸福になることができる。と嫌われる勇気という本にある。

 人間の悩みは全て人間関係の悩みであるとも書いてある。

 社長に振り回される苦しみ、なんのために働いているのか分からないまま働く苦しみ、信頼もできず協力を得られない苦しみ、自分だけが難儀させられて頑張っていると感じる苦しみ、誰からも理解されていないと感じる苦しみ。

すべて経営で解決できる。

 経営の基本と型を伝え、一人でも多くの人の苦しみを軽くできるよう精進していきたい。

 

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